90メートル (2026年) 116分【ネタバレ・考察】人の優しさに溢れた名作。素晴らしい映像表現。当事者が監督をした魂が籠った映画。


ネタバレなし感想

久々にこんな誰にでもオススメできる映画を見つけました。
見境なくオススメです。
めっちゃいい映画だった。

感動ポルノじゃない

なんかポスターやマーケティングが感動ポルノっぽい印象があったのですが、本作は全くそんな作品ではありませんでした。
めっちゃリアルです。
超現実的でした。
そりゃそうだ。

監督が当事者

舞台挨拶付きの試写会で視聴したのですが、監督の半自伝的な作品であると紹介されてました。

そりゃこれだけリアリティのある物語になるわ。

映像で魅せるタイプ

特段、アート性が強い作品ではないです。
でも映像からセンスを感じる作品でした。

そして登場人物の感情も映像で魅せるタイプなので、一瞬も見逃せないです。
これぞ映画だよなと思いました。

無駄なセリフ無し

観客を信頼した映画です。

説明をしないといけないポイントが一点あったのですが、そのシーンも説明的じゃないです。
すごいなと思いました。

必要最低限のセリフでも伝わる素晴らしい映画でした。

手に取るように伝わる感情

登場人物の言動に全く違和感がなく、とにかくリアルだったので、没入してました。

スクリーンからダイレクトに右脳に登場人物たちの感情が届く感覚でした。

終始号泣

私は感動ポルノ的な演出が少しでもあったらすぐ醒めて感情スイッチが切れちゃうタイプなのですが、本作はずっと没入して大号泣してました。

ここまでフル尺で泣いた作品は無いです。

でも暗い話じゃない

この映画はすごいです。
観た後に暗い気持ちにならないです。

人の優しさに徹底的にフォーカスして描いている印象でした。
しかもその物語のリアリティがすごくあります。
そして映像表現も素晴らしく、演技も素晴らしかったです。

名作でした。

忘れてた

演技の凄さを忘れていました。

抑えているのに伝わってくる演技という印象でした。

もう凄くリアルだったので全く演技のこととか忘れてました。
全部素晴らしかったです。

不思議な印象の映画

ALSについてもしっかり描かれていましたが、ヤングケアラーや身体障害者について描いた作品という印象がないです。

人々の優しさと思いやりが何よりも印象に残る作品でした。

暖かい気持ちになる作品でした。

基本情報

90 Meters
90メートル
2026年 116分

90メートル

製作国:日本

キャッチコピー:私は願う、あなたの未来を。

あらすじ

小学生の頃からバスケットボール一筋だった佑。 母・美咲が難病を患ったことで、母子家庭で育った佑は高校2年のときにバスケを辞め、美咲の世話を優先せざるを得なくなる。ヘルパーの支援はあるものの24時間体制ではないため、佑が美咲のケアをしながら家事をこなす日々を送っていた。高校3年生になった今、東京の大学に進学したい気持ちはあるが、美咲を一人にするわけにはいかず、常に手元にある呼び出しチャイムの音が、佑の心を引き留める。その看病が一生続くかのように、自分の夢や希望はすべて諦めかけていたが、担任の先生から自己推薦での受験を勧められる。しかし、日に日に身体の自由を失っていく美咲の姿を見ると、上京したい気持ちを打ち明けられずにいた。 そんなある日、介護施設のケアマネジャー・下村からヘルパーの増員により24時間ケアの体制が整ったことを告げられる。我が子の明るい未来を願う美咲は「お母さん、大丈夫だから。好きなようにしていいからね」と優しく声をかけるが──。

※参照元:公式サイト


日本版 予告編

スタッフ

監督 : 中川駿
脚本 : 中川駿
製作 : 辻本珠子/藤本款/宇田川寧/田口雄介

キャスト

藤村佑:山時聡真
藤村美咲:菅野美穂
松田杏花:南琴奈
大平翔太:田中偉登
下村香織:西野七瀬
荻野みかん
朝井大智
藤本沙紀
オラキオ
金澤美穂
市原茉莉
少路勇介

ポスター/パッケージ


⚠️ネタバレあり感想⚠️

抑えめの演技

全体的に耐えている、葛藤を心に抱えているような印象の抑えめの演技でした。

バスケ部女子マネージャーと主人公が対話するシーンで
『環境に負けるの悔しいじゃん』
のときの顔のぴきったところとか素晴らしいと思いました。

ナチュラルな仕草

母親と飯を食うときにスッと水を近づけてましたね。
スマホを観てて会話はないけど長く時間を共にしているから言われなくても察することができることってありますよね。

こういう細かいところの仕草にリアリティを感じていました。

介護未経験者

グラスを取ってもらうときに
『最後まで聞いて!』
って言ってましたね。

未経験者なら最初からはわからないポイントだなと思いました。

ご飯作れない

これめっちゃ主人公の気持ちがわかりました。
お母さんは何の気なしに”食材のサイズを同じにしないと火の通りがまばらになっちゃう”って教えてあげただけなんですよね。

でも、息子からしたら、できないことをできる範囲でやったら文句言われたような気持ちになるし、同級生はやらなくていいことをやらないといけないのに、なんで文句言われないと行けないんだと思っちゃいますよね。

その状況で野菜のサイズについて文句言われたら怒っちゃうよね。

母親は息子の足枷になりたくない

母親の気持ちを想像すると言葉になりませんでした。
息子の自由を制限したくないし、むしろ面倒見てあげたいですよね。
思うように体が動かなくなっていくやるせなさも心がキュッとなりました。

福祉が機能している

よかった。
この映画が重くならないのは福祉がちゃんと機能してくれていて、福祉の方も介護士の方もやれること全部やってくれていて、よかったです。

母親がなんとか24時間介護を頼み込んで息子の負担を減らしていましたね。

ちょっと寂しい

あのアラーム、最初は鬱陶しかったのに、いざ鳴らなくなると寂しいのね。
なんでだろう、経験がないのにめっちゃ気持ちが伝わってきます。

映画としては鳴らないアラームが映されるだけなのに。

頭をポンしてくれる

冒頭と終盤でしっかり伏線回収してました。

泣きたい時は泣いていいってステキな教育ですね。
母親がめっちゃ息子の心に寄り添うステキなお母さんなのが伝わりました。

終盤の頭ポンは大号泣でした。
特に口数が多かったわけではありませんが泣けました。

はっきりと聞こえる

画面が真っ暗になり、母親の声が鮮明に聞こえるシーンがありました。
ここでも大号泣しました。

素晴らしい演出だなと思いました。
ここではそう聞こえていたんだろうななんて思いました。

しかも発病する前のことを想像させてまた泣けました。

息子いい奴

『読まないで!』
って言っていた日記を読まず、触っていた介護士に怒っていました。
母親のプライバシーを守ろうとしてあげる優しい息子だなと思いました。
偉い。かっこいい。愛情を感じました。

日記じゃなくてレシピ集だった

日記って言ってたのが息子の独り立ちに備えてレシピを綴ってくれてたのね。
結局、母の愛情でした。
しかもそれに寄り添って代わりに書いてくれていた介護士の方たちの優しさも感じました。
めっちゃかわいく書いてくれている介護士の方もいれば、ちょっとガサツながらも書いてくれているところがいいですね。

福祉の担当のお姉さん

優しい。
母親も息子のこともそれぞれのことを親身になって考えててすごい仕事ですね。
介護士の人も全員が尊いです。

仲を取り持ってくれた女の子

一目惚れなのかと思ったらマネージャーだったのか!
そりゃ気になるよね。

無理に聞き出したりもせず、程よい距離感を保っていてくれてステキでした。

ちょっと青春

よかった。
ちょっと高校生っぽいこともできたのね。
コロッケのシーンで安心しました。

十分大人な子たち

”あいつがいたらもっと上まで行けたのに理由を知らされずにやめたんだから、そこまで大人にはなれない”
的なこと言っていましたね。

十分すぎるくらい大人な対応でした。笑

しっかり気持ちを言語化するの大事だよね。
しかも相手が望むなら受け入れるってのが優しい。

説明が必要なシーンも説明的じゃない

素晴らしい。

大学受験の種類について説明するシーンがありました。
私はそういうの全く知らなかったので助かりました。

女子マネージャーが主人公に視線を送り、気にかけているということを映像で表現しながら、先生が説明している声が聞こえているという感じなので説明的に感じなかったです。
ナチュラルだけど工夫がなされていてすごいなと思います。

90メートルの意味

そういうことだったんだ。
あのアラームが90メートルしか届かないということが最後に判明するのも素晴らしかったです。

補足情報

余談


参考サイト