ネタバレなし感想
ポスターデザインがめちゃくちゃ良いですよね。
このカラフルなデザイン。フライヤーを飾りたいほどです。
しかし、本作の映像の色彩や世界観は案外現実的です。
予告編を観た段階ではA24らしい映画(飲み込みずらい映画)なのかなと思って気構えて観に行ったのですが、思ってたより観やすい作品でした。
A24らしさを期待したらガッカリするかもしれませんが、A24に苦手意識がある人は観やすいかもしれません。
個人的には退屈ではないのですが、画面があまり変わり映えしないのでまったりしてました。
映画館で観るならポップコーンあった方が良かったかもですね。
死についての話ですが、コメディトーンの作品なので観た後そんなに引き摺らないです。
イギリスのコメディが好きな人は好きかもしれません。
映画館で観たのですが笑い声がちらほらと聞こえていました。
母娘が死に直面するという内容ですが、綺麗事にも治らず、感動ポルノに着地せず、個人的には好きなタイプのラストでした。
基本情報
Tuesday
終わりの鳥
2023年 110分
製作国:アメリカ/イギリス
キャッチコピー:"お迎え"に参りました
あらすじ
余命わずかな15歳のチューズデーの前に喋って歌って変幻自在な一羽の鳥が舞い降りた。 地球を周回して生きものの"終わり"を告げる、その名も<デス(DEATH)>。 チューズデーはそんな彼をジョークで笑わせ、留守の母親ゾラが帰宅するまで自身の最期を引き延ばすことに成功する。
※参照元:-
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : ダイナ・O・プシッチ
脚本 : ダイナ・O・プシッチ
製作 : ヘレン・グラダーズ/イヴァナ・マッキノン/オリバー・ロスキル
キャスト
ゾラ:ジュリア・ルイス=ドレイファス
チューズデイ:ローラ・ペティクルー
デス:アリンゼ・ケネ
ナース・ビリー:リア・ハーヴェイ
ウィロー:エリー・ジェームズ
イラ:タル・デヴァニ
スパイク:ジェイ・シンプソン
ロバート:デヴィッド・シブリー
ネイサン:ネイサン・アムジ
ジャック:ジャスティン・エドワーズ
ハンス:ヒュー・ファッチャー
ヴィクター:ネイサン・アイブス=モイバ
アベル:エウェンス・アビド
ベラック:ビジャル・ラージ
チューズデイ(幼い頃):フロレンシア・ヌニェス
ポスター/パッケージ
⚠️ネタバレあり感想⚠️
鳥の正体
死という現象を具現化したみたいです。
でも感情や意思はあるみたいで、謎の存在です。
あらゆる死を届けるために世界中を駆け回っています。
そして死に直面した人の心の声がずっと頭の中で鳴り響いている様子で本人も病んでいます。
この鳥についてはあまり詳しく聞かないでください。
鳥がいなかったらただのつまらないジャンル映画になってしまうのであんまり鳥に整合性は求めないでください。
主人公は母親
てっきり娘とデスの話がメインかと思ったら、娘の死に向き合えない母親が成長する物語でした。
コメディパートの多くも母親が担っていた印象で、実はこの映画の主人公は母親なのではという印象です。
なぜそこでコメディ
主人公の少女の元へ来たとき、少女はおもむろにペンギンのジョークを話します。
『動物園へ連れてけと言ったから、昨日は動物園に連れてった。今日は海に連れてくんだ。』
急に王道のジョークを言ったんで笑いました。
なんで急にその話を始めたんだよ。笑
咄嗟に出てくる話がそれかよ。笑
一瞬でこの子を好きになりますね。笑
このシーン、なんかの比喩なのかもしれませんが面白かったです。
淡々とコメディ
キリストの死にも立ちあったと言ってキリストの声真似するのには笑いました。
あとエリザベス1世でしたっけ?唯一命令してきたとか言ってたのには笑いました。
がっつりコメディ
この母親なんなんだ。笑
鳥を見つけたら、殴りかかるし。笑
叩き潰して、燃やして、まだ生きてたから食ったところには笑いました。
そうか、焼き鳥か。笑
デカくなってる母親も面白いし、それをみるナースものリアクションも面白かった。笑
この映画、がっつりコメディでした。笑
出産を思い出したのかな
母親とデスの対立で、デスは体調を崩してしまいました。
そこで娘が『深呼吸して。吸って、吐いて』って声をかけてあげていました。
このとき母親は出産の時を思い出しているような顔をしていましたね。
それでデスを殺そうと思ったんでしょう。
短絡的な思考ですがキャラには合っています。笑
不可解な点
仕事をしていない理由はよくわかりません。
あの性格だと単純に仕事が続かないということなのかな。
恐らく高額であろう療養費は保険で賄えているのかな?
と思ったらナースにがっつり払ってましたね。
しかも見栄張ってチップまで渡してました。
仕事をしていて、それでも医療費が賄えなくて家のものを売っているなら感動話ですが、無職なのはなんなの。笑
失業中?でもそうなら『いつ仕事辞めたの?』というリアクションになりそう。
娘との癒しの時間
最後にお風呂に入れてあげたり、一緒に雑誌を読んだりまったりタイムを過ごせていました。
このシーンは過度な演出がなく、本当にささやかな日常って感じで好きでした。
普通の映画なら幸せとの落差を作ろうとしてやたら幸せなシーンにしそうですが、本作は本当にほっこり日常って感じで特別なことがなかったので好きでした。
感動ポルノにならないトーンが好きです。
死が存在しないと成立しない
デスがちょっと仕事をサボっただけで街は混乱に満ち溢れていました。
そりゃそうだ。
殺し屋にでもなる気か
これを仕事にしましょう!私たちうまくやっていけるわ!って言ってたけどどうやって誰から金もらうんだよ。笑
母親がずっとボケてくれるので楽しいのですが、娘がもう病状が良くなくてツッコまないのでありがたいです。
こちらにツッコミを委ねてくれます。
誰から金もらうんだよ!
憎めないダメな母親
この母親は精神が弱くて逃げてしまっていただけでロクデナシというわけではないのですね。
ずっとちょっとバカで憎めないです。
「死にたくない」から「殺してくれ」
この映画では娘は自分の死を受け入れるのが早かったのですが、母親はずっと逃げていました。
序盤のデスが死神をしている時は、『彼が刺したのよ。私はなにも悪くない。死にたくない』という人でも殺さないといけない状況でしたが、この母親のシーンでは交通事故?で脚を失って尚、死ねない人をあの世におくっていました。
その過程を経て、娘の痛みに耐える声を聞いて、ようやく死を受け入れるのはめちゃくちゃ切ない。
どんだけ目を背けてきたんだ
あの深呼吸で痛みに耐える習慣を知らず、序盤では娘からの連絡を無視するってどんだけ娘とコミュニケーションとってなかったんだよ。
この映画では母親がめちゃくちゃ幼稚です。
でもいるよね、こういう母親も。
娘が凄すぎる
この母親にしてこの娘ありって感じがします。
母親が抜けていると子供がしっかりしたりしますよね。
私の母親も抜けているタイプだったんですが、そういう母親のもとに育つと案外世話焼きポジションになったりします。
それでも自分の死を前にしても尚、母親のことを心配できるって凄すぎる。
それほど痛みを乗り越えて、ずっと前から死を意識してきたんでしょうね。
輪廻転生の映画だった
これ日本人からしたら受け入れやすいんじゃないでしょうか。
この映画では神もいない、今の行いが来世に繋がるという価値観に終着していました。

