ネタバレなし感想
内容は文学的で共感し難いものの、文学的作品が好きな層に刺さるとも思えず。
奇妙な3角関係が描かれますが、案外、刺激がない表現で画面の真後ろに俳優陣のマネージャーの存在を感じるような映画でした。
人物描写がひどい
誰にも共感できない上、実在感が全くなく、個人的には全く響かなかった作品です。
俳優は頑張っていたと思います。
広瀬すずの独特な話し方は素人が真似したらただのキモ女だし、岡田将生も昭和っぽい割と普通のおじさんに見えてました。
俳優のファンは見ていて楽しいんじゃないでしょうか。
テンポもたるい
たるいなら人物描写をもっとちゃんと描くか、映像で詩的表現の部分を芸術的に感覚でわかるようにして欲しかったです。
出演俳優のファンか、実在した人物たちのファンにだけ向けた作品にしか思えませんでした。
事前情報
あとで調べたら実在した人物の話だったようです。
なにも知らずに観ると私のように最低評価になり得ないので少し情報置いていきます。
本作で描かれる登場人物たちの三角関係は有名で、"奇妙な三角関係"で知られているそう。
泰子との恋と三角関係の苦悩が、中原中也を詩人にしたともいわれるらしい。
原作
1974年、村上護の聞き書きによる『ゆきてかへらぬ—中原中也との愛』(講談社)刊行。泰子への聞き取りは同年2月から3月にかけての5日間。
長谷川泰子
女優
1904年〈明治37年〉5月13日 - 1993年〈平成5年〉4月11日
広島で生まれた一人っ子。幼い頃に父を亡くし、母親とは仲が悪く、祖母に育てられたそう。
メンヘラ・ビンゴでもっとも重要な問題のある家庭環境はクリアしています。
学生時代から映画が好きで女優になりたい気持ちはあったものの、東京に知り合いもいないので断念。
キリスト教系の学校に通っていた影響で、高校卒業後も教会に通っていたところ、放浪中の永井叔(詩人、バイオリニスト)と知り合い、バイオリンを弾きながら全国を布教して歩いているという話に興味をもった。
「新劇をやりたいから東京に行きたい」と話したら「もうすぐ東京に帰りますから、一緒に行きましょう」と言われ、周囲から猛反対されるが、19歳のとき、女優になる夢を叶えるため家出。
宝塚歌劇の紹介状を書いてもらい上京。
しかし上京して1ヵ月足らずの9月1日、関東大震災により京都へ移る。
中原 中也
1907年〈明治40年〉4月29日 - 1937年〈昭和12年〉10月22日)
詩人・歌人・翻訳家
代々開業医である名家の長男として生まれ、跡取りとして医者になることを期待されていた。小学校時代は学業成績もよく神童とも呼ばれたが、8歳の時、弟が脳膜炎により病死したことで文学に目覚めた。
生前は『山羊の歌』の詩人として、小林秀雄、河上徹太郎らの友人から高く評価された。
没後は『文學界』『紀元』『四季』などがあいついで追悼号を企画、中也の評価が続いた。戦後は、復員した大岡昇平の編集解説で『中原中也詩集』が創元社より1947年(昭和22年)刊行、大きな反響を呼んだ。
小林秀雄
1902年〈明治35年〉4月11日- 1983年〈昭和58年〉3月1日
文芸評論家、編集者、作家、美術・古美術収集鑑定家
小林の批評は個性的な文体と詩的な表現を持ち、さまざまな分野の評論家、知識人に影響を与えた。
文学の批評に留まらず、西洋絵画の評論も手がけ、フランスの詩や小説等の翻訳も行った。
基本情報
Yasuko, Songs of Days Past
ゆきてかへらぬ
2025年 128分
製作国:日本
キャッチコピー:純情なのか、純愛なのか。3つの愛の、行き着くそこ。
あらすじ
大正時代の京都。20歳の新進女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会う。どこか虚勢を張る2人は互いにひかれあい、一緒に暮らしはじめる。やがて東京に引越した2人の家を、小林秀雄が訪れる。小林は詩人としての中也の才能を誰よりも認めており、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。中也と小林の仲むつまじい様子を目の当たりにした泰子は、才気あふれる創作者たる彼らに置いてけぼりにされたような寂しさを感じる。やがて小林も泰子の魅力と女優としての才能に気づき、後戻りできない複雑で歪な三角関係が始まる。
※参照元:映画.com
日本版 予告編
スタッフ
監督 : 根岸吉太郎
脚本 : 田中陽造
製作 : 山田美千代/小佐野保
キャスト
長谷川泰子:広瀬すず
中原中也:木戸大聖
小林秀雄:岡田将生
富永太郎:田中俊介
鷹野叔:トータス松本
長谷川イシ:瀧内公美
スター女優:草刈民代
辰野教授:カトウシンスケ
中原孝子:藤間爽子
勤め人:柄本佑
ポスター/パッケージ
⚠️ネタバレあり感想⚠️
ツィゴイネルワイゼン
っぽさ感じますよね。
脚本家同じでした。
どこに向けた映画なのかわからない
恐らく文学に精通する層に向けた作品なんでしょう。
全く詩の内容がわかりません。
良いとも思えませんでした。
しかもたった5日間での聞き取りによって執筆された小説が元ネタということなのでほぼ創作ですよね。
恐らく?詩を普段から嗜んでいる人は様々な感情になったのかもしれません。
泰子が中原に惚れるのも、小林が中原の才能に惚れるのも共感できたのかもしれませんが、そこが理解できないとこの映画は終始退屈な作品になってしまいます。
”教科書に載ってるくらいだし、みんな知ってるから無駄な部分は割愛するね♪”
という親切設計だったのかもしれませんが、どれくらいの人がこの人の詩を覚えているんですか?
私は全く記憶の片隅にもありませんでした。
今の時代、対してセンセーショナルでもない
当時は女が2人の男をたぶらかすなんて!なんとはしたなくて魅力的!となったのかもしれませんが、今はポリアモリーという言葉があるくらいですから。
ただ退屈な、しかしよく聞くメンヘラの話を聞かされている気分でした。
場違いな会合に参加してしまった気分
どこで中原と泰子が出会ったのか謎。
なぜ中原が金持ってんのかも謎。
中原のどこが天才なのかも謎。
泰子が小林のどこに惚れたのかも謎。
詩の良さも謎。
全て伝わってきません。
なんで描かないんだ?
全然知らないアニメのオタク会に呼ばれたようでした。
なんの話ししてんの?っていう感じ。
映画は予告編も観ずに観に行っているので今回も事前情報なしに映画を鑑賞しました。
オリジナル脚本ならオナニーだなと思ったし、原作があるなら原作読まないとわからない系かと思いました。
映画を観た後に実在の人物について描いていることを知って、”知ってて当然だよね♪”っていう前提で作られていることに気が付きました。
詩の良さが伝わらない
名俳優を3人揃えているわけです。
俳優の名だけで集客ができるくらいのビッグネームです。
それで詩の良さを伝える気がないんですか?
私の場合、詩って”あ〜なんかお爺ちゃんとかが好きそうな趣味だよね。あと中学の頃イタイ詩の画像が出回ったりしたわ”という程度の認識なのですが、その認識は変わらないどころか、こんなに退屈なんだと思いました。
事細かく解説しろ!とまでは言いませんが、映像と交えてその詩が持つ意味や監督なりの解釈などを表現して欲しかったです。
でないとマジで意味がわからないし、魅力が全く伝わらない。
天才詩人を描くなら詩の良さが伝わってきても良いはずでしょう。
”詩ってこんな素敵なものなんだ”と思わせて欲しかったのですが、”中原と小林が一緒に詩を朗読する”という馬鹿げた表現しかできない本作にそれを期待した私がバカだったんだなと思いました。
全体的に潔癖過ぎる
がんじがらめな環境化と引き換えに有名俳優を起用したんですね?
内容と映像で起こる出来事のトーンが合っていないです。
泥沼三角関係からの、独特な愛の三角関係からの、腐れ縁という流れだと思うのですが、マジで察してあげるのに疲れました。
きっと頑張って交渉した結果、広瀬すずの背中を出す程度の表現しかできなかったのではと思いました。
なんでもやってくれる二階堂ふみは似たような作品の人間失格に出てしまっているから起用できないでしょうしね。
女子高生が好きそうな恋愛映画のように小綺麗にまとめようとしたのか、小学生にも見てもらいたかったのかは分かりません。
中原がイタイ凡人以下
カリスマ性がないです。
ただのウザい年下の厨二病にしか見えませんでした。
きつい。
突然、頭をクシャクシャにしながら何かを思いついたかのように原稿用紙に何かを書き始めたり、突然感情的になって暴れたりなどの、まるで小学生が想像するような”天才”のシーンしかなく、全く魅力を感じませんでした。
また、コミュニケーションも成立しているようです。
中原が原因でコミュニケーションが成立しないというようなシーンも特にありませんでした。
感覚的な話ではありますが、天才って日常会話通じないことが多いと思います。
私は小林が出てきてやっと”中原は天才詩人という設定なのか”と気が付きました。
フランス映画、ドリーマーズのワンシーン
うろ覚えですみません。
ドリーマーズ(2003年)というとんでもない三角関係を描いたフランス映画があるのですが、その映画では特徴的なシーンがありました。
とある食卓のシーンです。
登場人物の1人(俳優はマイケル・ピット)が年上の男性が話している最中なのに、心ここにあらずで明らかに人の話を聞いていませんでした。
その理由を聞くと、テーブルの上に置いてあったジッポライターのサイズがテーブルクロスのチェック柄や皿の柄、さらには一緒に食事をしていた別の人物の鼻の高さとも一致することに気がついてしまい、それが気になってしまって上の空だったというのです。
このワンシーンでこのキャラクターは特別なフィルターを通して世界を見ているんだなということが伝わりました。
私には見えていない光景が広がっているんだろうなと印象的で10年以上前に見た作品ですがこのシーンは今だに覚えています。
本作ではそういうカリスマっぽい、天才っぽいシーンが全くありませんでした。
色気のないファムファタール
多分、泰子は結構小悪魔的な存在なんですよね?
小林、金借りてまで泰子を養っていましたよね。
今の時代ならともかく、戦前の日本で男が女に料理を作るって相当なことですよね?
過激なシーンを控えたいなら存在感だけで表現される女優を起用してもらいたかったです。
どこか色気があって線の細いメンタルが弱そうな雰囲気の人が良かったです。
広瀬すずは清純で健康的過ぎました。
こっちでキャラ補正すんのに疲れます。
キラキラし過ぎな小林
岡田将生はキラキラしすぎていました。
せめて無精髭くらい生えていてくれないと。
かなり泰子に惚れて尽くしていましたよね。
それならもうちょっと恋愛経験に乏しくて女に歯向かえなさそうなもう少し文学オタクっぽいおじさんであって欲しかったです。
”自分も本来なら詩人になりたかったけど、才能がなくて挫折した。だからこそ中原に惚れてしまっている。” みたいなもう少し冴えないキャラクターなら納得できました。
泰子も、”最初は中原の才能に惚れていたけど、あまりにも自由人過ぎるから疲れた。冴えない男だけど、この人の方が幸せにしてくれそう。”みたいな展開なら納得がいきます。
りんご
りんご食って”あっ”ってなんなのよ。
りんごに恋したのかと思ったわ。
アダムとイブ的なこと?
知恵の実を食べてしまって自分が泰子に惚れていることに気がついてしまったとうこと?
そしてその小さな恋心は腐りかけのりんごの部分と同じように全体に侵食していってしまうということ?
それともバナナの味でもしたの?
伝わらない小林と中原の愛
この2人もなにかで繋がっている感じはしますよね。
ほんとなんで分かりませんが、支離滅裂で意味がまるでわからなかったツィゴイネルワイゼンの方がこの愛が表現されていたと思うんですよね。
あれだけ支離滅裂だったのに。
ゲイ的な、恋愛的な愛ではなく、人物そのものに対する憧れからくる愛。
序盤に謎の海でのバイオリンシーンがあったので、頭にツィゴイネルワイゼンの三味線3人夫婦が過ったので本作もそういう話かなと思って見ていたのですが、全然分かりません。
『泰子の体を通して中原と繋がりたかった』って台詞だと、それはゲイですよ。
本来は中原と体で繋がりたいけど、ゲイであることを認めたくないから泰子とセックスしているという意味になりますよ。
なんかしんどいセックスシーン
”どうか中折れしませんように”って思いっきり顔に出てるセックスシーンには笑いました。
小林のWiki見た感じだと嫁子供いたみたいだけど、本作では同性愛的な意味合いで中原への愛を描いているということでいいの?なんなの?
とんでもない存在感の役者が1人
割と序盤に出てくる中原の知人の存在感凄くなかった?
結核で吐血していましたが、振り返って言葉数少なく帰っていって、それ以降は全く出てこなかったけど、はっきり記憶に残っています。
納得の公開規模
これだけ今をときめく俳優を起用しているにも関わらず、公開館数が少ないことが気がかりでしたが、内容を見て納得しました。
幅広い層には刺さらなそう。マーケティングにコスト割くだけ無駄そう。
だからムビチケ配ってたのか。
文学層に刺されば口コミで文学層に広がるという算段か。
補足情報
実際の泰子
泰子、中原と同棲中に、劇団の創作者と不倫関係にあり、それについて自分より出番が多い女優に言及されて大喧嘩してクビになったらしい。
1925年3月
中原が早稲田大学に行きたかったために共に上京した。この頃から潔癖症に悩まされている。
泰子の潔癖症は相手を執拗に言葉で責めることを伴うものだが、「愛情を確かめるための甘えだった」とのちに語っている。
1925年9月
映画では吐血しただけで出番がほとんどなかった富永の紹介で小林と出会う。
1925年11月
小林と同棲開始。小林と泰子が同棲を開始しても中原との関係は切れていなかったらしく、これが”奇妙な三角関係”の始まり。
1926年5月
潔癖症が悪化したため、転地療養のために神奈川の鎌倉に転居。
その後も住む場所を転々とする。
1928年2月
東京の中野に転居。5月には小林が愛想つかせて出ていってしまう。その後、中原と度々会うが、再び同居はしなかった。
1928年9月
女優業再開。
1930年12月
望まぬ妊娠で演出家の山川幸世との子供が産まれ、中原が茂樹と命。中原は茂樹を我が子のように可愛がった。
その後、映画出演の仕事に受かったものの、乳飲み子も抱えて京都に行くことも気が重く、喧嘩が絶えなかったが中原が近くにいてくれたこともあり、主演映画の話を断り、またとないチャンスを捨てる。
1936年
32歳のとき、中垣竹之助と出会う。中垣は既婚であったが妻とは別居中だった。
中垣は京橋で石炭問屋の社長をしていたが、泰子には同棲をしている時も伝えていなかった。
敷地200坪に60坪に家が建つ田園調布で優雅な生活を送る。
戦時中も田園調布の屋敷から千葉までタクシーでゴルフに行くほどだった。
夫に頼る生活で潔癖症が再発。
1937年
12月、中原中也の告別式に中垣、茂樹とともに参列。
中原と泰子の奇妙な関係は、中原が亡くなるまで続いた。
1945年
終戦で夫の事業が行き詰まり別居。
1945年12月
世界救世教に入信。田園調布の家を売り、世界救世教の本部があった神奈川県鎌倉市に息子とともに移住。
1961年
57歳のとき、東京に戻り、日本橋でビルの管理人となる。12年ほど務めたが、その間に小林秀雄、大岡昇平、河上徹太郎らが頭角をあらわして流行作家となり、特に大岡の著書の影響で中原の人気が上がり、"男を振りまわす悪女"というイメージが、マスメディアにより定着していった。
「中也を捨てた女」として中也ファンが恫喝に訪れ逮捕される事件も起こった。
1976年
ドキュメンタリーを織り交ぜた岩佐寿弥監督の実験映画『眠れ蜜』(シネマ・ネサンス)に長谷川泰子として出演。唯一の主演映画となる。
1993年4月
神奈川県湯河原町の老人ホームで死去。享年88歳。
Wikipedia - 長谷川泰子 (女優)余談
✨広瀬すずさん主演映画「ゆきてかへらぬ」公開記念✨
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ものすごく気まずいです。
文学には全く興味なく、岡田将生が好きという理由だけでXのキャンペーンで無料で観せてもらったのに全然刺さらなかったので死ぬほどきまずいです。




