シンパシー・フォー・ザ・デビル (2023年) 90分【ネタバレ・考察】ニコラス・ケイジのファン必見。ニコラス・ケイジのコミカルな怪演で最後まで引っ張っていった映画。言葉にできない気持ちになるラスト。


ネタバレなし感想

音楽の使い方がよく、映像の色合いも個性的でライトが効果的に使われていた印象でしたが、ニコラス・ケイジでなければ最後まで見ていられなかっただろうなと思いました。

不思議とテンポの悪いさは感じませんでした。
退屈を感じる直前で場面が変わったり、クールな音楽が流れたり、ニコラス・ケイジが変なことをし始めたり。
最後まで退屈せずに見ることができましたが、上級者向けな作品なのではという印象です。

個人的には、内容はそんなに面白くなかったけど、俳優が良かったので面白い映画という印象になった作品です。

羊たちの沈黙もレクター博士の厨二病が憧れそうなキャラクターには乗れず、天才俳優、アンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターが最高に魅力的だったから楽しめました。

レオンに関しても気持ちの悪いロリコンストーリーなのですが、レオンに全く加害性がないことと、マチルダの魅力とゲイリー・オールドマンの怪演で最後まで楽しむことができました。

本作も個人的にはそういう、物語にはいまいち乗れなかったが、俳優の演技が凄くて最後まで楽しめた作品の一つでした。

ニコラス・ケイジのファンは必見の作品なのではないでしょうか。

基本情報

Sympathy for the Devil
シンパシー・フォー・ザ・デビル
2023年 90分

シンパシー・フォー・ザ・デビル

製作国:アメリカ

キャッチコピー:悪夢を、見たいか?

あらすじ

会社員のデイビッドは妻の出産に立ち会うため、病院へ向かって車を走らせていた。しかし、病院の駐車場に着いた途端、見知らぬ男が後部座席に乗り込んでくる。デイビッドは男に拳銃を突きつけられて車を発進させられ、ここに“地獄のドライブ”が始まった。

※参照元:Wikipedia


日本版 予告編

英語版 予告編

スタッフ

監督 : ユヴァル・アドラー
脚本 : ルーク・パラダイス
製作 : アラン・アンガー/アレックス・ルボヴィッチ/スチュアート・マナシル/デヴィッド・ハリング/ニコラス・ケイジ

キャスト

ニコラス・ケイジ:男
ジョエル・キナマン:ドライバー
アレクシス・ゾリコファー:ウェイトレス
キャメロン・リー・プライス:警官
オリバー・マッカラム:少年
バーンズ・バーンズ:オーナー
リッチ・ホプキンス:トラック運転手
ナンシー・グッド:おばあちゃん
カイウィ・ライマン:同僚

ポスター/パッケージ



⚠️ネタバレあり感想⚠️

とにかく音楽がいい

まず、音楽が最高です。
全て初めて聞いた曲でしたが、あのあと思わず調べてしまいました。

音楽が流れる瞬間もテンションが上がります。
映像やシチュエーションとめちゃくちゃマッチしている印象でした。
使用されていた曲を一部載せておきますね。

Fears Become Wishes - Lily Kershaw

The Old Man`s Back Again - Scott Walker

If You Don't Know - George Hamilton IV

Without Your Love - Jimmy Radcliffe

Turn Around - Charlie Megira

I Love The Nightlife (Disco 'Round) - Alicia Bridges 

ちょっと話がわかりにくい

変顔ニコケイ

『俺の話している最中に邪魔をするな!』
とニコラス・ケイジが複数回、恫喝するシーンがありますが、本当にそうなんです。
話し方もストーリーテリング的な話し方なので、結論ファーストじゃありません。
飛び飛びだし難しかった。
ざっくり整理します。

情報を整理させてくれ

めっちゃニコケイ

過去、裏組織に所属しており、病んだ妻と娘と一軒家で暮らしていた。
自宅で仕事の話をしていたところ、病んでいた妻がその話を聞いており、口外してはいけない情報を外部に漏らしてしまった。それがその組織内で問題となり、自分は酒を散々飲まされ、その間に妻と娘を殺され、家を燃やされた。
そこで復讐をするためにドライバーの娘が誕生するタイミングで車に乗り込む。

ドライバー

ただものじゃない

ドライバーはサリバン(上司?)に指示をされ、男の妻を殺すことになった。
妻を殺す際、3発撃ったが妻が暴れてしまったため、そのうちの1発が娘に当たってしまった。
殺すつもりがなかった男の娘まで殺してしまい、自身もトラウマとなってしまう。
今の妻とは娘を授かったが、その子は流産となってしまった。その時にあの時の罰だと感じた。
その後、息子を授かり、2人目の娘の出産に立ち会うため、病院に向かっていたところ、男に車に乗り込まれ、地獄のドライブに巻き込まれてしまうことになる。

一般人ではなさそう

ニコケイ

2人ともどう考えても一般人じゃないムーブをします。

車から身投げして逃げようとしたドライバー、自分で外れた方を直していました。
しかも今まで何度もやってきたかのようにスムーズに。

しかも、ドライバーが飛び降りた際、瞬時にハンドルを握り、車を停車させていました。

どちらも結構優秀です。

どちらも仕事ができそう

ガソリンスタンドでたまたま居合わせたおばさんに
”HELP”
と口パクで伝えていました。
しかもそれに気がついた男はおばさんを威圧して立ち去らせます。

その後、ドライバーは敢えて警察がいるところで一瞬スピード違反をし、わざと捕まります。
男はその警官と言い争いになった際に迷うことなく撃ち殺してしまいます。
そして撃ち殺した後に素早く車のキーを抜いてドライバーが逃げられない状態にしてから、撃ち殺した警官から手錠を奪っていました。
この後、使えると思ったのですね。

この2人は心理戦などではなく、常備えて、できることを考えています。
その点も見ていて面白いです。

ちょいちょい笑える

2人

『俺の美しい鼻を折りやがった!』
ってブチギレるのも、ダイナーで曲を流して変な踊りをする男も面白かったです。
酔っ払いという感じ。

ダイナーに来店した際に速攻で『Fagot』といった男も面白かったし、階段から落ちたと言わされたり、階段から落ちたコイツにぶつかったというシーンも面白かったです。

立ち去ろうとした男に『座れ!』と怒鳴ったら大人しく座っていたのもシュールですね。

意味がわからなかったシーン

ウェイトレス

メニューの変更ができないというのはどういうことだったんですかね。
何かのメタファーですか?
取り替えることができないと。

お化けの時間は何を意味していますか?
丑三つ時のこと?

スペードのエースはなんの意味があるのでしょうか?

『私がこっそりチェダーを持ってくるわね』
が嫌味だった?親切でしたよね?
”酔っ払いの変な客だからとりあえずこう言って誤魔化そう”というつもりだったから、嫌味だったということなのでしょうか。
この辺がアメリカのハイコンテクストがわからなかったのでちょっと疑問に思いました。
恐らく吹き替えの方がニュアンスが伝わってくるのかなと思ったシーンです。

いちいち冷静

手錠が繋がれているテーブルの脚を蹴り飛ばして逃げ出したドライバーですが、太ももを打たれてしまいます。

そこで車の影に隠れるのですが、自分のベルトを使用して止血をし、手錠がブラブラして音が鳴らないように手錠の二つの輪っかを同じ手につけて移動します。

そこで即席火炎瓶がバンバン車に投げつけられます。
度数の高い酒を見て火炎瓶作るのもすごいですね。

男が持っていた銃

最後のドライブで、男がドライバーに銃を突きつけるのですが、その銃に日本語で『復讐』と書いてありました。
そういえばニコラス・ケイジって親日家で嫁が日本人でしたね。
サービスあざっす。

ドライバーの本性

ドライバーは銃を突きつけられ、打たれる寸前でハンドルを切って交通事故を起こします。
死にかけの男を覗き込む際の顔はまで別人でしたね。
殺し屋の頃の顔をしていました。

最後に後悔していると正直な心情を吐露します。

『お前の娘は廊下で倒れていた』

男は家族の最後を聞いて、涙を流しています。

その後、ドライバーは男の首を腕で圧迫して殺しました。
これって跡が残らないからこういう殺し方をしたのでしょうか?

男の目的

男はどうやら肺がんの様です。
最初にドライバーの男の息子が出てきますが、恐らく5、6歳ですかね?ということは男は妻と娘を失ってから7年以上は確実に経過していそうです。
自分が癌になり、死が近いことがわかっているから、最後に復讐しにきたのかなと思いました。

終盤でドライバーが言っていた通り、狙いは”最後にコイツを殺して俺も死ぬ”だったのかなと思います。

女と子供を殺す気はない

ダイナーで女も子供も殺せなかった男です。
ドライバーの嫁と娘を殺す気なんてさらさらなかったのでしょう。
仲間もいなかったと思います。

途中電話でドライバーの嫁と会話をし、その際に病院の部屋番号を入手していましたが、その部屋番号を誰かに伝えているシーンがありませんでした。
あくまでもドライバーを誘き出すためのハッタリだった様です。
”お前の嫁の居場所は割れているぞ”という脅しのためだけに聞き出したのだと思います。

普通の優秀な男2人

この映画の男は女と子供を殺すことができない男たちです。

ドライバーは殺してしまったことがトラウマとなり、別人として生きていくことで自分の心を守っていました。

男も、どこかジョーカーの様な変な動きをしたりカードを出して見せたりしていましたが、結局のところ酒を飲んで酔っ払っていただけで、サイコパスや狂人、ロクデナシではなく、割とクラシックで普通の価値観を持った中年男性2人でした。

シンパシー

2人とも女と子供を殺すことができず、家族を愛している男でした。

この男たちにシンパシーを感じることができましたし、この2人の間にもシンパシーが生じているようで、最後は感じたことない悲しい気持ちになる作品でした。
言葉にできない気持ちになるラストでした。

余談


参考サイト