ネタバレなし感想
予習があると入りやすい
物語の方向性は、パプリカやインセプション に近いです。
私は両作を鑑賞した後に本作を観たため、比較的混乱することなく物語世界に入ることができました。
同様の作品に親しんでいる方であれば、導入はよりスムーズだと思います。
逆にここで躓いてしまったら冒頭で集中力を失い、観る気力を削がれてしまうかもしれません。
仕組みは深追いしないほうがいい
物語は、説明不足な荒唐無稽な装置を用いて精神世界へ入り込み、心の治癒を試みるという話です。
ただし、この装置の仕組みを厳密に検証し始めると、結構初っ端から意味がわかりません。
本作は、理屈よりも芸術体験を優先した方が楽しめると思います。
冒頭20分は退屈
序盤の約20分は、正直に言えば分かりづらく、やや退屈です。
しかし前述の作品群を観ている人なら、”この映画がやろうとしていること”は察することができるはずです。
でも退屈です。
後半に入ると、芸術性がより強く出るため、そこからギアが上がると思います。
終盤で展開されるダークでアンダーグラウンドな映像表現は圧巻で、本作の真価はここにあるのだと思います。
荒唐無稽な装置
この点に関しては、前述した作品群でもあまり上手く行っている印象はありません。
本作でも同じような感じです。
そもそもこれ系の”装置”に関しては完全ファンタジーとして”そういうことにしておく!”ってあんまり深く考えない方がいいと思います。
この点の細部の設定が気になってしまう人でかつ、本作の芸術センスが合わない場合は結構キツイかも。
SF的、あるいは精神分析的アプローチの精緻さという点では、2000年の作品だし、現在の価値観や技術水準と単純比較してもしょうがない気がします。
私は多少の粗は、無視してました。
本作が本領を発揮する点
監督の映像センスですね。
明らかに群を抜いていると思います。
本作は理論を楽しむ作品というより、映像美を堪能するための作品だと捉えた方がいいと思います。
アングラ・アートが好きなら強く推奨
印象としては、
・インセプション
・羊たちの沈黙
・マルホランド・ドライブ
これらを混ぜ合わせ、アンダーグラウンド・アートとして再構築したような作品という印象です。
とにかくビジュアルの完成度が高い。 アングラ志向の美術や映像表現を好む方には、オススメしやすいです。
基本情報
The Cell
ザ・セル
2000年 107分
製作国:アメリカ
キャッチコピー:その人の絶望を、受け入れることができますか
あらすじ
人間の意識に入り込む研究をする心理学者キャサリンに、FBIからある依頼が。それは逮捕された殺人鬼スターガーの意識に入り、彼が監禁した女性の居場所を探し出すというものだった。スターガーの精神世界に足を踏み入れた彼女に、異様な光景が広がるが…。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : ターセム・シン
脚本 : マーク・プロトセヴィッチ
製作 : フリオ・カロ/エリック・マクレオド
キャスト
キャサリン・ディーン:ジェニファー・ロペス
ピーター・ノヴァク:ヴィンス・ヴォーン
カール・スターガー:ヴィンセント・ドノフリオ
ミリアム・ケント博士:マリアンヌ・ジャン=バプティスト
ゴードン・ラムジー:ジェイク・ウェバー
ヘンリー・ウエスト:ディラン・ベイカー
ジュリア・ヒクソン:タラ・サブコフ
カール・スターガー(少年):ジェイク・トーマス
テディ・リー:ジェームズ・ギャモン
コール:ディーン・ノリス
リード博士:プルイット・テイラー・ヴィンス
ルシアン・ベインズ:パトリック・ボーショー
エドワード・ベインズ:コルトン・ジェームズ
エラ・ベインズ:ミュゼッタ・ヴァンダー
アン・マリー・ヴィクシー:キャサリン・サザーランド
ポスター/パッケージ
⚠️ネタバレあり感想⚠️
ジェニファー・ロペスの演技
なんというか、上手くはないかも。
精神科医には見えない。
博士号を取った人にも見えないです。
穏やかで囁くような話し方はめっちゃ精神科医っぽかったですが、なんかそんなに深みを感じない演技でした。
序盤はちょっとよくわからなすぎた
ちゃんと後半に繋がってあとでわかるので大丈夫ですが、離脱する人もいたんじゃないでしょうか。
それくらいちょっとつまらないかも。
私は全く予告編もあらすじも見ずに視聴を開始したのでマジでなんの話なのかわかりませんでした。
字幕に困惑
映画内の字幕では”分裂症”と言われていましたが統合失調症のことです。
精神分裂病と呼ばれていましたが2002年に統合失調症と呼び名が変わったそうです。
困惑してしまいました。
日本では2002年(平成14年)まで、精神分裂病(せいしんぶんれつびょう)という呼称だったが、現在の統合失調症へと改訂された。
キャサリンの動機
FBI捜査官のピーターは過去に救えなかった命があったため、動機が明確にありましたが、このキャサリンに関しては特段動機を感じませんでした。
ピーターの話に触発されたという物語の展開ではありますが、意味ありげにジェニファー・ロペスの顔のドアップを写すだけではなんか微妙でした。
研究への情熱も描いて欲しかったです。
あと精神科医の家がサブカル感満載すぎませんか。
タバコらしきものを吸っていましたが吸い方的にマリファナですよね。
シリアルキラー
- 7人殺している
- 女に首輪を付ける
- 洗礼式で死にかけたので水に執着するようになった
- 小さい頃、鳥を拾ってきたが、父親に見つかりそうになったので水に沈めて殺した。(救ったと認識している)
- 幼い頃に実父から身体的虐待を受けていた
- 父親の指示により継母の女性器を見せられたりしていた(?)
- 女の子の人形で遊んでいたので恐らく性同一性障害
- 家事をやらされたりしていた
- 実母は不明
- 漂白剤で人形や遺体を白くしていた
- アルビノの犬を飼っていた
- 遺体に精液をかけたりしていた
- 自分自身を吊るしていた
- 何かの薬を服用していたっぽい
- 医師によると分裂症(統合失調症)らしい
- 溺れる女を撮影
犯行が支離滅裂で意味がわかりません。
サイコパスなんで理解できなくていいんでしょうね。
ルール
- 意識の持ち主は光の反射で居場所を伝えられる
- 潜水中にここが精神世界であることを忘れると意識が戻らなくなってしまうことがある。
- また、精神世界で身体的なダメージを受けてしまうと現実世界でも身体的にダメージを受ける。
- 手に埋め込んだセンサーを押すと現実世界に戻ってこれる。
- 現実世界に戻ってきたかどうかの合言葉があるらしい。
- かなり体力を消費する
ずっとしっくりこない分析
FBIのピーターの分析によると見つけて欲しいと言っていましたね。
でも個人的には犬の毛は気が付かなかったんだと思います。
動物の毛って半端ないですから。
あと精神科医のキャサリンがいうには、犯人が自分を吊るしていたのは無重力を感じたかったのではと言っていました。
これは絶対違うでしょ。余計重力を感じるでしょ。
背中の皮膚の痛みの分だけ重力を感じるでしょ。
あとあれ協力者いるでしょ
背中にフックを引っかけてんだから。
1人じゃ無理じゃんか。
誰も言及しないのね。
精神病への理解度に違和感
分裂症と表現されていましたが統合失調症ですかね?
子宮内のウイルス感染で発症し、治療法はないなどと言っていましたが、先天性で抜本的治療はないということを表現したかったんでしょうか。
トラウマなどが原因で発症すると言っている点はPTSDですね。
犯人が昏睡状態になったのと、犯人が服用していた薬には検討がつきません。
本作は2000年の作品ということもあり、そこまで精神医学が進んでいないようには思えないのですがどうなんでしょうか?
私は当時物心もついていないのでわからないです。
特定の精神病名を出してしまうと偏見を煽ることになってしまうため、配慮のためあえて情報を撹乱させたとも思えません。
思いっきり統合失調症と言ってしまっているので。
犯人役の俳優
バスタブで落としそうになった薬の瓶をナイスキャッチしていましたね。
しかもその直後に全裸で熱演。
体張って頑張っていましたね。
お気に入りのシーン
毛布の波から砂漠へシーンが移ったシーン好きです。
あとFBIの突入シーンかっこいい。
カールの被害者コレクションなんて現実に美術館作ってほしいです。
ちょっとSAWっぽい。
あとカールの意識の中で黒い犬が夢中でブルブルしてるの可愛かった。
馬
切られたのには衝撃でした。
しかも切られた後も生きているという。
カールの母親が一瞬登場
『夫が盗んで行ったの』
『息子には感情がないわ』
と言っていましたね。
このシーンめっちゃ好き。
なんで素人のピーター?
キャサリンが夢と現実の区別がつかなくなって現実に戻ってこれなくなったとき、なんであの装置とは初めましてのピーターが行ったんでしょうか?
あと彼女の弟が交通事故で事故死した話をしてこれが夢だと思い出すってなんだこれ。
中世の拷問を受けていましたね。
この映画以外で描かれているの見たことがないです。
いいもん見れたなぁ。
悪魔に聖痕?
サイコの夢の中には悪魔と大人カールと少年カールがいました。
それぞれ別の姿で登場しますが、1人のため悪魔を指したら少年カールも死んでしまいます。
悪魔を殺す時に足と両手に矢を撃ち動けなくして、そのあと腹に剣を刺していましたね。
これはなんなんだ。キリストと同じところに傷をつけていましたね。
救われたのか?
最後は洗礼のような形で溺死させていましたね。
キャサリンはまるでマリアのように慈悲深いキャラクターなので違うとは思いますが、めちゃくちゃ残酷な殺し方じゃないですか。
カールのトラウマと同じ方法で殺してしまうって。
もう救えないからせめて介錯してあげたような感じですかね。
昏睡には効果がなさそうな装置
昏睡状態の少年は物理的に脳の回路を修正してあげないと起き上がらない気がします。
サイコパスの精神診断やトラウマの治療なんかには使えそうな装置ですが、昏睡状態などの物理的損傷の場合には効果がない気がしました。
精神科医の宿命
なんというか、精神科医ってすごいですね。
カール少年は救えなかったけど、それでも諦めないという尊いエンディングでした。
補足情報
本作は様々な芸術作品から影響を受けたとされているそうです。
本作に影響を与えたとされるアーティストについて調べてみました。
ダミアン・ハースト
Damien Hirst
1965年6月7日 - 2026年現在ご存命
イギリスの現代美術家。
The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living
生者の心における死の物理的不可能性 1991年
ガラスのケースに4mのサメを入れ、ホルムアルデヒドで保存。
引用元
オッド・ネルドルム
Odd Nerdrum
1944年4月8日 - 2026年現在ご存命
ノルウェーの画家。スウェーデン生まれのアイスランド人。
The Singers - Painting
Dawn- Painting
引用元
- オッド・ネルドルム - Wikipedia
- Odd Nerdrum - Wikipedia
- Odd Nerdrum - OFFICIAL SITE
- Dawn (painting) - Wikipedia
H・R・ギーガー
H. R. Giger
1940年2月5日 - 2014年5月12日(74歳没)
スイス出身の画家、イラストレーター、造形作家。
Birth Machine sculpture in Gruyères
性器をモチーフにしたイラスト
引用元
ブラザーズ・クエイ(クエイ兄弟)
Brothes Quay(Quay Brothers)
1947年6月17日 - 2026年現在ご存命
スティーブン・クエイとティモシー・クエイは一卵性双生児の兄弟。
アメリカ合衆国ペンシルベニア州ノリスタウン生まれの、映像作家。

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