ネタバレなし感想
騙された!パッケージに騙された!
オススメによく上がってきていたので予告編も見ずに鑑賞しましたが
完全に田舎のおてんば娘がなんかする映画だと思いました。
かなり重い話だったのでご注意ください。
発達障害の女の子の話
ADHD+ASD+LDの女の子を定点観測したかのような映画でした。
風変わりではないです。完全に発達障害です。
かなりイライラします。
カサンドラ経験者は余計精神的負担が多いと思います。
だいぶストレスフルな映画でした。
事前知識はあった方が良いかも
昨今、よく話題に上がるので多少の知識はあると思いますが、発達障害について何も知らない人からしたら、あみ子が悪魔の子に見えるかもしれません。
オーメン的な。
脳の問題なので解明されていないことだらけですがざっくり情報置いていきます。
ASDの主な特徴
ASDは以下のような特性を持ち、日常生活に支障をきたす場合に診断されます。
- コミュニケーションの困難:言葉の行間や空気、表情、視線から相手の意図を汲み取ることが苦手。
- 対人相互作用の苦手:言葉のキャッチボールや、自然な距離感の維持が難しい。
- こだわりの強さと柔軟性の欠如:同じ手順やルールに執着し、予定の変更を嫌う。
- 興味・関心の局所性:特定の分野に強い興味や深い知識を持つ。
- 感覚特性:音、光、臭い、感触などに対する過敏(または鈍麻)がある。
引用元:Google AIによる概要
ADHDの主な特徴と症状
- 不注意:集中が続かない、忘れ物や紛失が多い、整理整頓が苦手、指示を最後まで聞けない。
- 多動性:じっとしていられない、席を立つ、静かに活動できない。
- 衝動性:順番を待てない、質問が終わる前に答える、思いついた行動を我慢できない。
引用元:Google AIによる概要
LD(学習障害)の主な特徴と分類
LDは主に以下の3つの領域で困難が生じます。
- 読字障害(ディスレクシア):文字の読みが極端に遅い、単語や文章をスムーズに読めない、文字の認識に困難がある。
- 書字表出障害(ディスグラフィア):文字のバランスが取れない、書写に時間がかかる、漢字のへんとつくりを間違える、文章作成が困難。
- 算数障害(ディスカリキュリア):数字の概念が理解できない、計算が遅い、筆算や文章題が苦手。
引用元:Google AIによる概要
基本情報
AMIKO
こちらあみ子
2022年 104分
製作国:日本
キャッチコピー:応答せよ、応答せよ こちらあみ子、こちらあみ子
あらすじ
あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さんとお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹に赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生・のり君たちと元気に過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていく…。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : 森井勇佑
脚本 : 森井勇佑
製作 : 南部充俊/飯塚香織
キャスト
あみ子:大沢一菜
お父さん・哲郎:井浦新
お母さん・さゆり:尾野真千子
考太:奥村天晴
のり君:大関悠士
坊主頭:橘高亨牧
保健室の先生:播田美保
おばあちゃん:黒木詔子
幼い日のあみ子:桐谷紗奈
幼き日の考太:兼利惇哉
学校の先生:一木良彦
校長先生:柿辰丸
ポスター/パッケージ
⚠️ネタバレあり感想⚠️
ASDがいかにして(全く悪意なく)周りを不幸にするか、いかにして嫌われていくのかがこれでもかってくらいリアルに描かれていました。
もうこれ家族全員カサンドラじゃん。
カサンドラ経験者はPTSD発症するレベルで発達障害の解像度が高いです。
”あの頃の感情”を死ぬほど思い出すと思います。
天才子役じゃん
あみ子役の子役もすごく良かったです。
表情に感情が乗ってないところがとてもリアルでした。
あの何考えてるのかわからない感じ。
演技がうますぎる。
綿密な人物描写
とにかく登場人物たちの解像度が高過ぎる。この監督すご過ぎる。
あまりにもリアルな展開で、ドキュメンタリー見てるのかと思うほどでした。
日本に蔓延する内容が何もない邦画とは違い、かなり綺麗事を排除して作品を作ったんだなと思いました。
ただリアリティがありすぎて、ASDの人マジ無理ってなる人はなってしまうような作品だと思いました。
もはやちょっとホラーでした。
あみ子を含め全員に同情
時代背景がいつなのかわかりませんが、2010年代くらいですかね?
当時は自閉症こそ認知度は高かったですが、今、発達障害やASDと診断を受けた人たちは”天然”とか”KY”と呼ばれて笑い話になってましたね。
むしろその突拍子もない発想や行動が可愛いと笑っていました。
本当に苦しんでいた当事者たちが、自分と他人がなんか違うと認識して1人で抱え込んでどうしたらいいのかわからなかった時代。
発達障害の認知がもっと広まれば、診断を受けていれば、猫や犬を飼っていれば、療育に通わせてあげていれば、とにかくできることがたくさんあることを実父が知っていれば、、、。
家族の接し方も変わっただろうし、あみ子ももう少しハッピーな生活を送れたはずなのにと。
本作は主人公が子供だったから特に胸が痛かった。
特に、父親があみ子を押して徐々に廊下に出すシーン、、、酷いなって思ったけど、父親も限界なんですよね。
序盤から爆裂しているあみ子
映画始まってすぐ、あみ子が発達障害なのがわかるようになってました。
注意散漫でコーンの汁をこぼす。
妊婦の女性が『あみ子さん』って呼んでいたので継母であることもすぐにわかりました。
そして”インド人はやるな”とか、意味はわからないけど、多分遊びでなんかやってうるさくしていたんだろう。
あみ子はみんなの輪の中に入りたいのに入れてもらえない。
側から見たら他の子供達の邪魔になることをしたから、あみ子の自業自得だけど、あみ子には何故なのか理解できないっていう構図か。
ケーキより真っ先にプレゼントをもぎ取るところとかコミュニケーションに難あり過ぎる。
ありがとうもない。
そんで継母が頑張って作ってくれたあみ子の好物も無視してクッキーを舐める、、、。
いくら小学生とはいえ自己中過ぎて無理。
発達障害の子育ては実子でもしんどいだろうに、継母でさらに妊娠中となったらほんとうに無理だと思う。
コミュニケーション介護を一手に担っていた兄貴
なんて心の優しい兄貴だったんだ、、、。
あの家族の中で唯一、あみ子とちゃんと向き合ってコミュニケーション取ろうとしてあげていた人だったね。
でもあみ子は注意散漫すぎてなんも人の話聞いていないし、自分のペースでしか生きていない。
そりゃコミュニケーションがずっと一方通行なら兄貴も心が折れるわ。
こちらの問いかけには応答できないのに、永遠とあちらの問いには応答し続けないといけないんだから。
もはや介護ですよ。
兄貴も小学校高学年くらいでしょ?まだ子供なのに10円ハゲができるって、、、。
いじめられていた様子も描写もなかったので本作としてはあみ子によるストレスが原因ですよね。
兄貴が嫌がっているのに無理やり10円ハゲを見るシーンとかほんとイライラした。
あみ子がああやって自己中な言動を繰り返していたら、自分の生活が侵食されていくよね。
しかも親もなんもしないどころか、親も自分と同じ状態で更に継母は鬱だし、父親は仕事で家にいなかったりするし。
そりゃ兄貴も家庭に居場所を失って不良になりますよ。
家はあみ子が中心で回ってんだから。
善意で継母に止めを刺したあみ子
弟の墓のくだりはアスペムーブ過ぎて死ぬほどイラついた。
ただ、冷静になって考えるとあみ子に悪意は全くないんだよな、、、。
それどころか死を理解していないだけで、優しさ100%だったんだろうから本当に心が痛かった。
あみ子の善意100%の行動によって、継母の心が完全に壊れたってもうなんか唖然としました。
あみ子がASDっていうのを知らなかったら
"あの子は妹が死んだことをなんとも思っていないし、母親があれだけ辛い思いをしたのに無神経にも話題に出す。自己中心的で思いやりがない子供"
ってなっちゃうのかな。
父親は頑張ったよ
あんな娘なら限界くるよ。
しかも発達障害と知っていればまだ対処しようがあったかもしれないけど、”たまたまうちの子だけ様子がおかしい”って認識なんでしょ?
会話も通じないんだから地獄でしかないよ。
お惣菜ではあったけど、あみ子と一緒に食卓囲ってちゃんと世話してあげていたと思うよ。
だって奥さんはお墓事件でもう鬱状態でしょ。
お父さんが仕事も家事もやっていたんだろうなと思うと、兄貴のタバコを怒る気力もないよ。
"あみ子にはわからんよ"
って言ったシーンで、感情をなんとか抑えて耐えているような呼吸に泣きそうになりました。
よく殴らなかったよお父さん。
これで殴ってたらほんとに終わってたよ。
だっていうてお父さんなんもしていないんだから。
家族は壊れたが、自分が壊れる前にあみ子と距離を置いたのはあの状況ではいい判断だったと思います。
父親は息子と絆を作った後に、発達障害について勉強してあみ子を迎えに行ってくれ。
因果応報
クッキー舐めんの本当に気持ち悪い。
あのシーンはめちゃくちゃストレスでした。
"あの時食わされたしけったクッキーはあみ子が舐めたやつか"
と思春期の男の子が知ったら殴るか。
殴られて当然とも思ってしまう。
なんで自分が唾付けまくったやつを人にあげることの気持ち悪さを全く理解できないんだろう。
多分、あみ子は他の人が目の前で舐めたクッキーを渡されたら"汚いから嫌じゃ"っていうと思うのよ。
あみ子は
自分の唾液=他人にとっては他人の唾液
っていうことの理解ができているか怪しい。
自閉症傾向強そうだから他人と自分の境界線が曖昧だと思う。
あみ子に関しては結構キツめだから、これ以上にないくらい言語化して説明しても理解できなさそう。
さすが兄貴
自分の感情を言葉で表現できないから歌ってんだよね。
迷惑な発散方法すぎる。ほんとあみ子とは一緒に生活できない。
と思ったら突然、帰宅した兄貴がいとも簡単にオバケの正体を突き止めて対処していましたね。
今までずっと応答してきた兄貴だから、感覚でわかったんだろうな。
本来、関係が長くなると、この”阿吽の呼吸”みたいなものが発生して、血の繋がりがなくても、
単なる友達でも、言おうとしたことがわかったり、同じタイミングで全く同じことを言ったりすることがありますよね。
兄貴が察知できたのはその感覚があるからなんだろうなと思った。
あみ子にその能力はないけど。
てか父親はなんで対応しなかったんだろう?ベランダから変な音がするって言ってたのに、ベランダを覗きもしなかったよね?
もうあみ子と会話しようよしてくれる人いないじゃん。
フラットな坊主
"お前の気持ち悪いところ100億個あるで"
って言ってた男の子、あみ子と相性いいよね。
唯一あみ子に直接的な表現で客観的にあみ子がどう見えてるか伝えてあげてたよな。
あの子は本当にいい子だったな。
俺の秘密じゃって具体的にキモいところを言わなかったのは優しさにも見えてかっこよかったけど、
行動の変なところっていちいち言語化できないor指摘し始めたらキリがないってところもわかってしまう。
ひとりぼっちになりました
誰もあみ子に応答してあげなかった結果、あみ子が独りぼっちになりました。
ラストのイマジナリーフレンドにサヨナラしたのは
独りぼっちになった現実を受け入れたということなのかしら。
父親にASDの知識があったらなぁ、、、。
"母親の前で赤ちゃんの話をしない"とか、"兄貴のハゲには一切触れない"とか、いちいち言語化して対応してあげてたらなぁ、、、。
たぶんだけど、あみ子が自分の問題を認識できないから、周りがアプローチするしかないのよ。
その両親が諦めてしまったらもう誰がそれやってくれるのよ。
他人からしたら関わりたくない一択なのよ。
家族でも絶縁するレベルなんだから、、、。
最後、世話を担うのが老人なのか、、、。
イニシェリン島の精霊を思い出したなぁ、、、。
余談
”発達障害は個性だ”みたいな舐めた論調を唱える人もいますが、個性レベルの人もいれば、障害レベルで日常生活に支障をきたす人もいます。
特にASDに関しては”コミュニケーションが成立しない”ということがなんなのか、なかなかどういうことなのか経験がない方は想像するのが難しいと思います。
参考になる動画があったので載せておきます。










